堀 信晴さん
35年目
聖友乳児院 調理師
私の学校の同級生が前任の栄養士でした。私は学校を卒業して集団給食で仕事をしていましたが、その同級生が退職するというので、後任で来ないかと声がかかり、栄養士として働き始めました。乳児院についての知識もまったくなく、その同級生から「こういう施設だよ」と聞いただけでしたので、入職した後感じたギャップもなく、こういうところなんだと理解していくのみでしたね。
朝食は朝8時です。7時から出勤し8時までに朝食を作ります。朝食の片付けが終わったら、11時15分までに昼食を作り、そして午睡後の15時までにおやつをつくります。そして、17時に合わせて夕食を作り、片づけて18時に退勤という流れです。
作るのは、だいたい幼児食が20食位、その他離乳食が10食位と、そして乳児用のミルクが一番多いですね。 メニューは栄養士が考えますが、厚生省のガイドラインがありますので、それに沿って調理します。幼児食、離乳食の作り方については、学校でも学ぶことですね。
今はなかなか難しいですけれども、コロナ禍の前は子どもたちと一緒に調理することもよくありました。ホットプレートで焼きそばを作ったり、目玉焼きを焼いたり、チャーハンを作ったり。とうもろこしの皮を剥いてもらったり、そら豆をさやから出してもらったりといったお手伝いのようなことをしてもらったりもしました。
委員会活動の中で、どういう養育をしていくか職員同士で相談しています。その取り組みの中でクラス職員と連携をとり、食育活動も実践してきました。
具体的には、子どもたちと中庭に菜園を造りミニトマト・ナス・きゅうりなどの野菜を育てたり、先ほどもお話ししましたが、一緒に調理したり、食材に触れる機会を作ったりしてきました。
やりがいは子どもたちの笑顔ですね。「おいしかったよ」と言ってもらえると嬉しいです。
大変といいますか、注意していることはアレルギーや食中毒への対応です。アレルギーのお子さんは誤食してしまうと命の危険もあるので、その辺は物凄く気を使います。食中毒も命に関わります。乳児院の子どもたちはまだ月齢も小さいので、しっかり気を付けなければいけません。
人生の中で、仕事はかなり大きな部分を占めると思うんです。乳児院の職員は、みな誠実に、熱意を持って仕事に向き合っています。そういった環境で働くということは、とても充実した時間を送れると思います。あとは子どもたちがすごくかわいいので仕事してて癒されますね。
自分自身は、こちらで働くまで小さな子どもたちとまったく接する機会がありませんでした。少しでもボランティアで関われていたら、最初から違った見方ができたかなと思うこともあります。施設で働こうと思われているなら、ぜひボランティアなどで子どもたちに接してみることをおすすめします。